【原田美枝子さん叙勲おめでとう記念鑑賞作品】
「私、15のときから女優やってるの」。認知症が進んだ母親は娘の人生と同化していく。時代が違えば、自分も娘の様に女優になりたかったのだろうか?
母親にとって、娘の人生が羨ましかったり誇らしかったり憧れがあったり、ちょっと嫉妬していたり。
娘、原田美枝子にとって、自分の人生を潜在意識の中でも母親が認めてくれた様で嬉しかったのだと思う。母親にカメラを向け、淡々と母親の事を語る彼女から、そんな気持ちを感じる事ができる。
本来、老いや認知症はマイナス要素なのだけれど、自然に切り取りそれを受け入れる清々しさのようなものが溢れてくる。
15歳の時からカメラに自分を晒し、そして夫も俳優、シンガソングライターと女優の娘がいる原田美枝子。そこに加えて母親まで登場させるって凄い人だと思う。女優の中の女優。
そして他のレビューでも書いたが、この世の中で一番綺麗な人は原田美枝子だと私は思っている。
そしてお母さん、可愛かったです。