素敵なクソZ級映画。
神父が中国で恐竜になる呪いを受けて、高学歴売春婦と共に忍者軍団と戦う物語。
オープニングに衝撃的な爆破シーンがあり、そこで度肝抜かれ夢中になった。というか吹き出した。あれはズルい。笑うしかなかった。そこからはテンポ良くダレずにアホシーンを繰り出してくれる。
明らかな説明ゼリフや、マネキン首チョンパ、編集で切りそこねた変なブレ、定まらないカメラワーク、謎の回想、見切れたマイクなど下手くそなテクニックのオンパレードで、逆にこの作品を作った人たちは上手いことクソ映画を再現していると分かる。
実はキラリと光る良いカットもあるので、わざわざ素人が撮ったように見せているところが哀しくてニクイ。
役者達は普通に良い演技をしているし、主演男優とヒロインは、どこかで見たような微妙な美形でだんだん好感を持てるようになる。
また細かいところでギャグに凝っていて、それを発見する楽しみがある。忍者が中国人や韓国人で構成されているのに日本人がいないなど、明らかにワザとのはず。
特に戦っている背景にある垂れ幕に書かれた漢字「今日潜水裸取消」や敵のハチマキに書かれた「兄弟」という文字には並々ならぬギャグセンスを感じる。西洋人がこのニュアンスのユーモアを繰り出していることに衝撃を受けた。
そして最後に極めつけの「SHE IS FINE」の文字が出てきたときに爆笑してしまった。
ここまで気持ちよくバカ映画を作ってくれると爽快である。
こうした作品をひたすら構図を美しく撮影して、可愛くお洒落にしたらウェス・アンダーソンなるんじゃないかと思ってしまった。絶対にないけど彼にリメイクしてほしい。
ひたすら人生に疲れた時や、哀しい時にこの作品を見たら、自分の悩み事もZ級に下らないと悟ることができる元気印映画の極み。
オススメです。