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グッバイ、レーニン!のkokomin0516のレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.8
ドイツ統一は、旧東ドイツ側の人が便利で豊かな生活を得る事ができて幸せになったというイメージがなんとなくあったが、実際には、大きな変化に取り残された人たちがいて、西側の文化や社会に飲み込まれていくなかで失ってしまったものもあるということを教えてくれてるような映画だった。

時代の変化によって生まれた光と影は、特に人の心の中で起きていることが大きいのだろうと思う。自由と未来を求めてデモに参加していたが、実際に壁が崩壊してみると、かつての暮らしや自分たちの失われたアイデンティティを取り戻したい、見つめ直したい、そんな思いの人々は実は大勢いたのではないかと思う。

そんな時代背景で起きる、とある旧東ドイツの家族の話をとりあげている。
東ドイツでの生活が変わらずに続いているかのように母に優しい嘘をつき続けた子供たち。そして映画の終盤でわかるが、母も同様に子供たちにある嘘をつき続けていてだという親子愛も織り混ぜながら描いているのもよかった。
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