BOB

マシニストのBOBのレビュー・感想・評価

マシニスト(2004年製作の映画)
3.8
不眠症の男が不可解な事件に巻き込まれるサイコスリラー。

1年以上不眠症に悩まされている機械工の男が、自分の正気を疑い始める。

"If you were any thinner, you wouldn't exist."

骸骨みたいに痩せこけたクリスチャン・ベイルの姿がとにかく衝撃的な作品。『恐怖の報酬』のニトログリセリンを積んだトラックじゃないけど、今にも壊れてしまいそうな主人公の身体自体がスリリング。彼が机を叩くだけで、重そうな物を持ち上げ運ぶだけで、走っているだけで、逃げ場のない不安に襲われる。とても心臓に悪かった。

クリスチャン・ベイルによる-30kgという病的なまでに徹底した役作りが見れるだけで元が取れると思って鑑賞したが、『メメント』のような記憶障害型ミステリーとしても面白かった。

"Who are you?"

はっきりとしない断片的な記憶。手掛かりは家のあちこちに貼られたメモ。"眠れないから目覚めることもない悪夢"というコンセプトが秀逸だった。

腕が機械に巻き込まれるシーンの緊張感が半端ない。本能的に目を背けてしまった。

📝クリスチャン・ベイルの減量。
毎日ツナ缶とリンゴを食べて78kg→49kgへ。実際本人は45kgまで落とすつもりだったそうだが、健康リスクを考えてプロデューサーストップがかかった。監督はこれほど大幅な減量を求めておらず、撮影初日にその姿を見てとてもショックを受けたらしい。

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