まくないと

WITCH GAME/ウィッチ・ゲームのまくないとのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

何の根拠も無く、オレに任せとけ!というおバカちゃんのせいで曰く付きの森に迷い込み身動きが取れなくなる。
そして一人、また一人と犠牲になっていく。
という如何にもB級作、特にアマプラに大量に埋まっているカナダ産に有りがちな設定。
だが、本作はそれに分類するには勿体無い作品。

その森は過去に魔女裁判があったとされ、展開もその残存した呪いによって一人の女が異常行動を起こしているように見える。

が、よく見れば断定する材料は無い。
むしろ、それを主張する者に対して反論する周囲の見解通りなのだろう。

つまりは、極低温の隔絶した森から動けない、その森は呪われているかも知れない、と皆が思って錯乱したことで、この悲劇が起きてしまったと思える。

呪いでは無く、おそらく単に人災だった。

戻って、初めに魔女裁判のことを皆に話した時、誰もが怖がりながらも懐疑的だったはずだ。
そんな非科学的、非現実的なことを、何故、信じて人まで殺めてしまうのかと。
やっぱり昔の人は未開だ…と思ったかも知れない

だが、最後の場面で、警官が何故そんな荒唐無稽なことを信じたのか?と問うた時、だって皆が言ったからと答える。

魔女裁判と同じである。
これが本作のハイライト。
これは決して低評価作では無い。

ついでに、冒頭に車内の長回し。
デカいアメ車とは言え、そのスペースで各人をワンカメで撮るのは簡単じゃない。
その後も、さり気なく手抜きの無い撮影が続く。
お安い量産作でこれほど丁寧には撮らない。

この辺りにも、大人の事情の制限の中で、少しでも違った作品を撮りたいという作り手の熱意を感じたのだがどうだろう。