クライミングに打ち込む小寺さんに触発されて各々がやりたいことに向き合う群像劇。ゆるい繋がりが現代的に思える反面、人間ドラマとしてはあまりに冗長で曖昧。思春期で素直に話しかけられないとはいえ、制服姿で素足を晒している同級生を黙って見ているだけの主人公は気持ちが悪い。メガネの女子が盗撮動画を男子に見せてくるのもアウト。ラストは青春映画のような締め方をしているが、小寺さんが主人公の何に惹かれたのか1ミリもわからなかった。陰キャの四条がラーメン屋で女子からヘアゴムをもらった翌日に髪を切ってきたのは笑った。ストーリーがないから群像劇にせざるをえなかったのだろうが、見どころが本当にクライミングのシーンしかなかった。