もえ

悲しみが乾くまでのもえのレビュー・感想・評価

悲しみが乾くまで(2008年製作の映画)
3.8
劇的な盛り上がりはないけれど、静かな悲しみと優しさにじわじわとぐっとくるお話だと思います。

恋人でも家族でも友人でもない、だけど夫の親友だった他人。
麻薬中毒者で夫に悪影響を与えているんじゃないかという疑いから大嫌いだった人物。
だからこそ言ってしまう身勝手に傷つける言葉の数々。
でも傷つきながらも受け止めてくれる彼の優しさと誠実さに心が癒されていく女性の不安定な心境の変化をハル・ベリーがとても上手く演じているので、共感できる部分が多々女性にはあるんじゃないでしょうか。

またベニチオ・デル・トロの演技も素晴らしいと思います。
とくに目の演技。彼女を見つめる愛しさと優しさと悲しみが混ざったあの目は見てて胸が締め付けられます。

ドラマチックな設定なのでありえない話と言えばそうですが、登場人物のそれぞれの心の触れ合いがとても繊細に描いてあるので、観終わった後の余韻がしばらく心に残ります。
もえ

もえ