キットカットガール

Hair Love(原題)のキットカットガールのレビュー・感想・評価

Hair Love(原題)(2019年製作の映画)
3.8
色鉛筆と絵の具の良い所取りをしたような鮮やかで優しい色彩と画風から成る表情豊かで可愛らしいキャラクターたち。本当に素敵。部屋のインテリアや間取り、お父さんのタトゥーなど、ディテールがキャラクターの核を見せてくれて、それがより物語を深く、確実にしていて、とても好感を持てた。性格を含め、キャラクターデザインはナイス。そして、Hair Loveというタイトル通り、どんな髪質で、髪型であっても自分の持つ髪を愛してあげたいよね。私の場合、主人公の女の子とは違うタイプの癖っ毛の天然パーマで、いくらアイロンで伸ばしても伸びない細く、張りのない髪質で、ファサファサ広がってしまう事から高校時代は「髪梳かしてる?」と聞かれる事もしばしばあったけれど、最近は気にしない。彼女みたいに、自分の持って生まれたものを生かして、自分なりのおしゃれを楽しむのも良いし、自分の体のパーツは自分のものとして自分の心に合った形を保つのも良いと思う。そして、お父さんの苦労ぶりも愛おしい。やっぱりこういう風に悩んで葛藤しているお父さんは世界中にいるだろうし、愛と努力とYoutubeの力を借りて、徐々に娘さんの期待に応えたら凄いなと尊敬する。Youtubeって本当汎用性ある。笑

追記:
オスカー受賞前にたまたまYouTubeで鑑賞していた為、本当に感情移入して喜んでしまった。
おめでとうございます!
スピーチは黒髪を持つ日本人にも響くものがあったと思う。本作の長編を企画しているとの事で、とても楽しみ。