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破壊の日のjuriのネタバレレビュー・内容・結末

破壊の日(2020年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

今作で何が伝えたかったのかって考えたところ、得体が知れないものに対する畏怖や尊敬の眼差しかなあと解釈しました。
神社とか、八百万の神とか、儒教文化の国では想像に難くない存在かなあと思います。
メッセージ性もオリジナル性も強くて、チャレンジしているし俳優も賛同する人が集まった感じがしてとてもよい流れだとは思います。

が..あの..他の作品と比べるのはナンセンスなことはわかっているのですが、観賞しながらどうしても引き合いに出してしまう作品がいくつかありました。
まず、同じく鬼や疫病をテーマにした韓国映画のコクソンですね。あれはよく出来ていたんだなあとしみじみ思ってしまいました。よく分からなかったけどね、全部説明してくれなかったけどね、もうそれでいいんだよ。それが正解なんだと確信してしまった。だって今作は途中全て不自然なセリフで説明してしまうんだもの..。全部観客に委ねるのはやっぱり勇気がいるよねえ、分かるけど興醒めしちゃうよ。
コクソンに出てくる鬼は、恐ろしいんだけど神にも近いような不思議な感覚をついつい思い出してしまうキャラクターだった。
今作のトリガーになる賢一は、ただの不審者だった。爆
いやだってさ、なんでいきなり赤く染まってるの?あれはスクランブル交差点かな?あの歩行者の中にわたしも居ましたね、気持ち的には。うわあぜっっったい関わらんどこっていう。例えば図書館でたくさん席が空いているのにぶつぶつ独り言を言う人が隣に座って、しかも今の時期にノーマスクで、しかも涎たらたら流しっぱなしだったら震えるじゃないですか。でもそれってけっっっして畏怖ではないですよね?

それから、わたしが好きっていうのは多分にあるんですが塚本晋也監督の映画をいくつか思い出しました。
冒頭の白黒シーンではバレットバレエ、霊と通信しちゃうところはヴィタール、3部作目の切腹なんかは斬、とかね..。塚本監督って日本が上手なところをすくってお話として昇華させてたんだなあって感心してしまったんですけど、いや他の監督作品の良さをしみじみ思わせちゃう映画ってどうなの..。

他の方のレビュー読んでるとオリンピックやコロナやいろいろ詰め込みすぎとかストーリーに対する疑問を見かけましたが、わたしはまず世界観で引っかかってしまいそこまでたどり着けませんでした。
うーんでも難しいテーマだよね。
繰り返しになるけど映像はほんとにセンスあるんだよな。この監督の映画を一つも見たことがないんだけど、「泣き虫しょったんの奇跡」とか見てみようかなと思ったもん。監督も若いときに将棋をやっていたらしく、そういう経験がベースにある映画って面白そうだなって思った。と、別の映画の話になってしまったので終わります。
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