YoshiyaTsuboi

メイキング・オブ・モータウンのYoshiyaTsuboiのレビュー・感想・評価

4.1
評判が高い噂の『メイキング・オブ・モータウン』を週末に観た。勘違いしていて、てっきりドラマ映画かと思っていたら、インタビュー構成のドキュメンタリー映画だった。力強いリーダーの元に才能ある個性派が集まってきて、類い希な歴史的チームを構築していく。

レコードレーベルのドキュメンタリーだけに編集のリズム感がよくて面白かった。が、やや公式感が強すぎる(当たり前か)いいとこ取り過ぎるという味わいもあり。モータウンレーベルが奇跡の集団であることは間違いなく、組織、会社作りの在り方として刺激をもらった。「こんだけのスゴいチームを組んでみろよ!」という創業者・ゴーディーのいきり立つ生き様自慢も説得力がある。

が、穿った見方だとは思うけど「友情・努力・勝利」的なエッセンスも強く、波瀾万丈の抑揚を期待させられるドキュメンタリー作品としては、優等生すぎるとも美談すぎるとも感じた。マーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソンをはじめとした、神の申し子たちのスペシャルな流れはハンパないし、気持ちはアガりまくる。ただ存命のダイアナ・ロスの生の肉声が登場せず、ゴーディーとの関係性をほわっとした描き方で終わらせた箇所は引っかかりが残る。とは言え、次々に流れるグッドソングたちにがっつり高ぶったし、音楽映画としては気持ちよい作品だった。
YoshiyaTsuboi

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