燦

3年目のデビューの燦のレビュー・感想・評価

3年目のデビュー(2020年製作の映画)
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日向坂46の表題曲は、男の子が思いを寄せる女の子の仕草や外見を遠くから見ているという「ポニーテールとシュシュ」や「Everyday、カチューシャ」など以前のAKB48に回帰するようなものが多いなと感じていた。しかし、この作品に映し出されていた彼女たちのヒロインらしさ・力強さを観ていて、女の子の側が見られる客体でなく他者の弱さを包み込む主体になっている「抱きしめてやる」などが私が思う日向坂らしさになった。

どのシーンもあるメンバーにとっての見せ場だからこそ、クライマックスは何度も訪れるし、目を離すことができなかった。特に、約束の卵と青春の馬!日向坂46の歩みという大きな物語があり、彼女たちはそのヒロインで、楽曲は語りの断片なのだなと感じさせられた。しかしこの物語は大人にプロデュースされたものでもあり、彼女たちを好きという気持ちと大人の影がちらついたときの複雑な気持ちとの間で板挟みになっている。
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