ヒラリー

日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人のヒラリーのレビュー・感想・評価

3.8
監督、プロデューサー舞台挨拶回
私は今まで戦争で失われた日本の物事や日本人が奪ったものを見てきた。
本作はフィリピンと中国の残留孤児についてのドキュメンタリー
戦争により父母兄弟を失った子供達
日本人としても、中国人としても、フィリピン人としても認められていない、戦争孤児1000人以上
父親が日本人である事が知れると迫害される為フィリピンの子供達は山奥へ、満州の子供は中国人に育てられたり。
戦後日本から来たお達しは祖国に帰る事ではなく、現地に定住すること。
一人一人に父親の名前は?父親の出身地は?両親の結婚証明書は?等とヒアリングし、その情報に基づいて当時の文献を調べる。気の遠くなる作業。
満州は国策で日本との国交も遅かった為に日本の動きも早く国籍を取得し帰国。
打って変わってフィリピンは国策ではない上に国交もすぐに回復した為、いつでも帰ってきて親を探せるだろうって…なんて無責任な。
幼い子供が親の名前を憶えてる事はなかなかないだろうし、手掛かりも無しに探せばいいと突っぱねた日本の言い分に反吐が出る。
亡くなった人は戻らないし、壊れたものも元通りにはならない。
戦後75年経ち戦争を忘れない、やらないという言葉があっても、本作を見てしまうと未だに戦争が続いてるような感覚に陥った。
ヒラリー

ヒラリー