Tatsu

ヴァスト・オブ・ナイトのTatsuのレビュー・感想・評価

ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)
4.3
超絶面白い。ミニマムなスケールに対して、目に見えないもの、映らないものに対する興味だけで話を推進していく腕力に圧倒。怪談話を映画的に語るという感じは高橋洋『霊的ボリシェビキ』も少し連想しつつ。50年代、電波受送信、退役軍人、ローカルコミュニティ。完全なるワンナイトムービーだが、その夜を映す撮影の質感が美しい。ローアングルで道を舐めるように移動するカメラワークや、長回しと高速カット割りを使い分ける編集。体育館から出てくる人々と残されたレコーダーだけで語る後味も絶品。ナラティブによって映画はここまで面白くなるという傑作。
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