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君は永遠にそいつらより若いのnaoのレビュー・感想・評価

4.5
東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品。
地元での就職が決まり、卒業を間近に控えて残りの大学生活を何の目的もなく淡々と過ごす主人公のホリガイと、痛ましい過去を持ち不思議な雰囲気を纏ったイノギさんがひょんなことから出会うことで動き出す物語。
一見、真逆のタイプで共通点もない二人の距離が徐々に近くなり、共感性が高くなってくる過程が心地いい。佐久間さんと奈緒さんはホリガイとイノギさんにしか見えなかった!
そんな中である事件が起こり日常に潜む悲しみや怒り、孤独や暴力が浮き彫りになっていく。様々な要素が含まれた作品ではあるけれど、根底のところは人と人との繋がりや絆を描いた、シンプルなメッセージが込められた作品。しかし、全く想定外ながら現在の私達が置かれている状況や受け止めた事実に、あり得ないぐらいリンクしてしまってすごく苦しくなった。そういう意味でもこの作品がこのタイミングで私の目に触れたことは必ず何かしらの意味があるのだと思って観賞後の日々を過ごしている。公開日はまだ決定していないけど、沢山の方に届いて欲しい。私もまた早く観たい。
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