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セイント・フランシスのMasterYuのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
3.8
34歳で独身、レストランの給仕をしているブリジット。
夏に短期でナニー(子守り)の仕事を得た彼女は、そこで出会った6歳のフランシス、フランシスの両親であるレズビアンカップルとの付き合いを通して、後ろめたさを感じていた生き方を見つめ直していく。

作風、構成展開、とても好みの作品でした。
生理、妊娠、中絶と女性に負担がかかる事柄や、ジェンダー、人種差別といった題材を、とても穏やか且つ軽やかに描いているところがとても良い。

ブリジットのボーイフレンド、ジェイスはいい奴だと思うんですが、そう思うのも男性視点だったりして、女性の身体的な機微を理解していないと言わざるを得ませんね。

フランシスを演じたラモーナ・エディス・ウィリアムズが、とにかく素晴らしい。おませでキュート、そして子供なりの不安を抱えたフランシスを見事に表現しています。
先日(2022年8月)劇場で観た「きっと地上には満天の星」の子役ザイラ・ファーマー同様、凄い子役がいるものです。

またブリジットを演じたケリー・オサリヴァンのごく普通な感じの演じ方もとても心地よかったですね。
何よりこの脚本を書き上げた脚本家としての能力に驚き。
今後の作品にも注目していきたいです。
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