ShinMakita

東京リベンジャーズのShinMakitaのレビュー・感想・評価

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)
1.7


将来の夢も希望もなく、卑屈に生きる貧乏フリーター、花垣武道(タケミチ)。ある日彼は、10年前の高校時代に付き合っていた橘日向(ヒナ)が殺されたというニュースを目にした。〈東京卍會〉という半グレ集団と暴力団の抗争に巻き込まれたのだ。その翌日、バイト帰りのタケミチは、何者かに電車のホームから突き落とされてしまう。死を覚悟した瞬間、彼の意識は10年前の高校時代にタイムリープしてしまい…

「東京リベンジャーズ」



以下、ネタバレは、いっつも急に来るね❤️


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人気マンガの実写化作品。コミック未読、アニメは途中まで見ている俺に言わせたら…


「よくまとまってます」

という感想に落ち着きます。原作から逸脱せず、一応のハッピーエンドで映画を締めくくるなら、あそこで終わるしかないでしょう。コミックもアニメも知らない門外漢にも理解可能かつエモーショナルに作られている脚本は及第点。タケミチの心の声をいちいち北村匠海の声に出させている説明セリフは「あえての演出」だと信じたいし、最大の謎である「なぜ現代の稀咲がタケミチを殺害しようとしたのか」について全く触れないまま終幕したのも、続編へのフリだと信じたいですね。マイキーやドラケンというカッコいいキャラは男女問わず好きになるし、俳優たちも皆上手だし、うん、しっかり面白い一本にはなってました。個性というか特徴があんまり無い英勉監督ですけど、職人だからちゃんと安打は打つんですね。

ヤンキー・不良ものに抵抗がある人は、実人生に存在したそういう連中を忌み嫌っているからなんでしょうか。俺も不良が美化されるだけの創作物は幼稚だとバカにしてるんだけど、東京リベンジャーズは一味違うと思うんだよね。それは、タイムリープ設定を使って「不良の成れの果て」を描いている点。ただケンカしてのし上がるだけじゃなく、彼らが大人になった姿が見られるのがリアルです。族、グループ、チーム、呼び名はなんでもいいけど、ただ不良少年たちがつるんだ果てに「半グレ」という犯罪集団に変貌するという現実、イキがってただけの高校生が、10年後の社会では最底辺人種になっていくという現実を見せてくれるから。タイムリープ設定一つで、かなり世界観を広げた作品だと思いますよ。

俺がアニメ版で1番好きだったシーンは、病院でマイキーとドラケンが頭を下げるとこ。これ一発で、タケミチ同様2人に惚れ込むと同時に、東京リベンジャーズというコンテンツの評価を爆上げしました。実写版でもこのシーンがちゃんとあったのは嬉しかったなぁ。

「あんだけ派手にやって何故警察が出てこない?」とか「親は何してるんだ」とか批判しちゃうのは野暮。ヤンキーものはファンタジーなんだし、そのファンタジーの中に「現実」という名の恐怖をまぶしただけでも、本作は評価に値します。ぜひ^_^
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