話すことが特になくても良いとか、今日会って明日も会いたくなるかどうかとか。立場や見え方が変わると、途端に目に映る世界ごと昨日までと違って見えたり。他の人とくっつきそうになるとモヤモヤしたり。うんうん、恋する気持ちってこんな感じ。
と思いきや、この作品、爽やか青春ラブコメではないよね？初心な恋愛を描いてるのかと一見思ったけれど、むしろどちらかというと「恋愛と錯覚しちゃったあの時あの頃」を詰め込んでるのかなと。
自分と考え方の似ているカッコいい"オトナ"。反発し合うけど何でも心から言い合える同志のようなあの人。私情だけじゃなくてビジネスも絡むから理想と現実を埋めないといけない自己欺瞞。気があるのかないのか、自分を選んでくれるとソワソワしながら待つ時間。傷心中にかけられる優しい言葉たち。そんな、錯覚のオンパレード。
登場人物たちを見ていて私の目にはそんな風に映ってしまった。何が本気で何が勘違いかなんて、当人にすら分からないものだけど。そんなこと考えている私も、まともじゃない…？？
