ヒノミヤ

DAU. 退行のヒノミヤのレビュー・感想・評価

DAU. 退行(2020年製作の映画)
4.7
終始ドキュメンタリータッチで飽きるほどに、ソビエト時代の人々の生活の様子が映し出される。その世界に観客は溶け込むこともできず、ただひたすらにそちらを眺める一方で、退屈だと思う時もある。
しかしそれがフラストレーションとして溜まっていく一方でなく、唐突に現れる見世物的事象が、その世界への興味を掻き立てるところが効果的で、この映画の持つ政治性にも直結している。
ラストはドライで殺伐としながらも、どこか爽快感があるのがとても良い。ホンモノのが貫かれる中で嘘として映画は終わる。
その境界はどこにあるのか。果たして映画は嘘としての装置なのか。
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