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マイ・ニューヨーク・ダイアリーのpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

限られた本編時間の中で仕事に忙殺されながら、その仕事の中で学び・気付き・人間関係が凝縮されドラマとしての浮き沈み、序破急がある訳ではなく。
それよりも1日1日それぞれで起こるちょっとした躓き、仕事以外の人間関係のすれ違い、仕事での体験から主人公が感じた気持ちを描くことを重視している印象。
その為、物語としての突破力、スピード感はあまりない。だがむしろ立ち止まることが多いからこそ仕事と人生に悩む主人公の姿が際立っているようで、個人的には好き。撮影や編集によって軽やかさは保っている。

自分に欠けているものを他者の言葉によって気付き、補える関係が作品の核にあった気がする。シガニー・ウィーバー演じる上司と主人公のマーガレット・クアリーとの関係が顕著だ。
さり気なく主人公を評価してるシガニー・ウィーバーが良い。

仕事面・人生面以外で新鮮だったのが、本を読んだ時の感触を表現したところ。
なんやかんやあって主人公がようやくサリンジャーの作品郡を読み、気に入った箇所について語る場面のキュートさと熱量が良い。
多様な人が一つの本を読むが、その本を読んだ時に熱が生まれることは共通している。
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