MasterYu

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのMasterYuのレビュー・感想・評価

3.1
90年代のニューヨークを舞台にした作家を夢見る女性の自分探しストーリー。

と書くと、特に真新しさはない感じになってしまいますが、いや、実際真新しさを感じることはなかったんですけど、「普通」な色合いに対する心地よさはあったと思います。

「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャーの出版エージェンシーで働くことになった主人公ジョアンナが、サリンジャーに送られてくるファンレターの処理をする中で、彼女に変化が生まれるというのは面白いし、電話越しでジョアンナにアドバイスを贈るサリンジャーの姿をハッキリと見せない演出もいい。
上司のマーガレットとジョアンナがお互いに何かを吸収し合う関係になるのも新鮮ではあります。
ストーリーラインも帰結するところも、これまでも多く語られてきた故に感じる「普通」なところをどう受け止めるかで印象は変わるのかも?

ジョアンナを演じるマーガレット・クアリーは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で印象に残っていましたが、本作では彼女の魅力で底上げされているのは間違いないでしょう。
もちろん上司役のシガニー・ウィーバーの存在感も。

自分の年齢的に「夢の後押し」という部分が刺さったなんてことはまったくなかったですけど、まさに今そんな中にいる世代の人が観れば共感できるところが多分にある作品なのでしょうね。
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