レク

砕け散るところを見せてあげるのレクのレビュー・感想・評価

4.1
寂しく深い闇の中でも眩い光を放つものとは。
青春から見たヒロイズム、孤独を肯定的に捉えた愛の永遠性。
仮想と現実のリンク、世界を覆すヒーロー像と物語の転調が物語全体の構造とその見え方を変える。
多用されるモノローグの意味に気付いた時、少し涙ぐむ自分がいた。

小説的な台詞回しや映画としてのテンポ含めて決して飛び抜けた秀作というわけではないものの、めちゃくちゃ好き。

転調前のあのダラダラした青春パートがあるからこそ、転調後のスリリングな展開で心を粉々にされる感覚が味わえる。
あの青春パートこそ、それありきの転調こそ、監督が描きたかった核となるものだとさえ感じる。
映画を観終わった後、じわじわとある感情が押し寄せてきて感想に困った。
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