みんなのヴァカンスの花火のネタバレレビュー・内容・結末

冒頭の夜の湖畔でフェリックスがアルマと知り合うところ、低予算のデジタルでこんなに良い画が作れるのにまず驚く。その直後の時間経過省略の大胆さにも驚きつつ、寄りの画からポンっとロングショットが挟まるリズムが心地良い。フェリックス-シェリフ-エドゥアールの行きずりの関係が、最初は黒人:白人の2:1でつるんでいたのが、次第に負け組:勝ち組のシェリフ&エドゥアールとフェリックスに分かれていたり、そうかと思えば中耳炎を理由にシェリフが参加しない溪谷下りでは、アルマに熱を上げるフェリックスを思ってかライフセーバーにエドゥアールがキレ始めたり、男3人の関係性の変化とじゃれ合いがなんだか楽しい。特にその川の中でおっ始まる諍いはそのカオスさに呼応するような水上のカメラも見逃せない。最終的にシェリフもエレナと親交を深めて冒頭のフェリックス&アルマの展開をなぞるのだけど、それは彼が変化した訳ではなく、控えめな性格はそのままに反復される(なにせキスされながら"これ帰った方がいいんだよね?"と確認するくらい)のが最高。不発に終わったカップルととりあえず何かが始まりそうなカップル、二組を分けたのはそこではないかと。