ドーナッツ

ワインは期待と現実の味のドーナッツのレビュー・感想・評価

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
5.0
これが新感覚というやつかな。
ワイン、家族、全体のバランスが絶妙だった。特に親子についてはどちらかに加担するわけでなく、それぞれの思いを上手に引き出していた。
何でもポジティブに捉えやらせるではなくやりたいかを問い導くお母さん、夢に向かう息子を過去の自分と重ねるお父さん、自身の夢と父の思いと途中で投げ出してきた過去の癖に揺れる息子。こういうことはこの家族だけではないと思い知らされるシーンも差し込んで揺さぶっていた。

また、ヒップホップxワインの切り口も新鮮。冒頭から軽快な音楽が流れてPVかと思った。映像も必要以上の明るさは出さず落ち着いた色合いを保っていてかっこよかった。

これも冒頭で、ワイン初心者の女の子に、シャルドネはJay-Z、ピノグリはカニエウエスト、リースリングはドレイクとアーティストに例えてワインを紹介することで、ワインを知らない人でも観られる安心感を与えていたのも上手だった。ワイン玄人には物足りないと思うが映画なのでご愛嬌を。