せりな

リトル・ガールのせりなのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
3.5
現在は10歳なのかな?
性別違和に悩む7歳のサシャの身の回りで起こっている事を優しい眼差しで捉えたドキュメンタリー作品。

まだ小さな女の子とプライベートな部分に踏み込んだ作品なので、世に出すことが彼女にとって正解なのかは時が経たないと分からないのかなとも思う。それでも、2〜3歳から性別違和を感じている子供がいるという事、社会の不寛容に苦しめられている子供がいるという事を伝える作品としての意義は大きい。
他の子供たちと同じ様に、学校で好きな洋服を着たり好きな文房具を使う事を拒否され自分らしさを否定されることに静かに涙を流す姿は胸が痛かった。
サシャがサシャらしく生きられる様に奮闘する家族と共に、少しずつ前に進んでいく姿には希望も感じられるが、何かあるたびに説明して説得し続けなければいけないという現実が、彼女たち重くのしかかっている。
真摯に訴えても受け入れようとしない人たちの事は理解に苦しむんだけど、そういう人たちは何を恐れているんだろう?
この作品ではサシャ本人だけでなく、母親など家族にも焦点を当てているので、性別違和などマイノリティの問題を抱える家族の苦悩や葛藤を捉えている点も良かったです。

これから先も、サシャが自分らしく生きられる未来を願って。
せりな

せりな