ツクヨミ

リトル・ガールのツクヨミのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
3.9
性別違和の"少女"と家族が目指すものは…
7歳のサシャは体は男だが心は女のトランスジェンダー。彼女と家族が被る差別の波とは…
トランスジェンダーの子供と家族を見つめたドキュメンタリー。今作はトランスジェンダーの子供をずっと見据えるカメラワークに釘付けになるような作品でした。サシャは体は男だが心は女性であるので見た目はしっかり男であるかと言われるとそうでもない。それはサシャが子供で痩せ型なのもあるが、物腰や仕草がしっかり"女の子"なのだ。兄弟姉妹や女友達と無邪気に遊んだり髪を櫛で透かしたり、好きな水着を選んだりしている姿は少しほっこりする印象を受けた。
しかし現実は非常だ。サシャたち家族はサシャが性別違和であることから学校や習い事教室で"女性"であることを受け入れられず差別を受けている。現代社会は普通とは違うことをなかなか容認できないもの…しかしちゃんと行動すれば変えることはできるというメッセージ性を本作で感じた。
そして本作でサシャ本人が抱えている性差別ストレスが少し垣間見えるシーンはかなり心にくるものがある。それは"メイジーの瞳"でも感じたことだが、ああいう子供はなかなか自分の負の感情を曝け出すことができない。無理に話そうと促すのはよろしくないと思うので、ああいう立場の子には優しく寄り添ってあげたいものだ。
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