アーモンドフィッシュ

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ーのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

4.2
ロシア占領下のチェチェン共和国でのゲイ迫害を描いたドキュメンタリー映画。最初に「出演者の顔をデジタル加工しています」と出るんですけど、出てくる人みんな普通に顔を出してたので変だな思ってました。でもそれは今話題になってるディープフェイク技術で彼らを全く別人の顔にしてるんですね。それを知らずに観に行って最後勇気あるゲイの方が本名と顔を明らかにして作られた顔から本物の顔に変わる瞬間「え?今まで見てた人の顔は偽物!?どうなってんの!?」という驚きで呆気にとられてしまいました。恐ろしい時代になりました…でもモザイク処理された顔がずっと画面に映るのも見にくいのでコレはコレで良いと思いますね。

2022年にここまであからさまな同性愛の迫害があるなんて驚きました。LGBT活動家が入手した映像が合間合間に流されるんですが、目を覆いたくなるような映像ばかり(車の中でイチャついてたゲイカップルを車外に引きずり出して殴る蹴る、レズカップルを(おそらく)殺害する、ゲイの人を無理矢理犯すなどです…)、その迫害をチェチェンの指導者カディロフが推進しててプーチン大統領は黙認してるという状態。LGBTの人はロシアには居場所が無いのだなとわかりました。

カディロフが「チェチェンにはゲイやレズなど存在しない」と言ってた所が恐ろしかったです。「存在しない」という事は存在したら消すということですからね💦

今はウクライナ侵攻でチェチェンのゲイ迫害問題はかなり優先度が下がってしまったと思いますが、もっと国際的に注目されても良いと思います。