Kaoric747

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ーのKaoric747のレビュー・感想・評価

3.7
Netflixを導入してオリジナルの映画やドラマを観ていると、LGBTQのキャラクターが当然のように存在するし、もはや悲劇の存在でもなく、演じている俳優自身がカミングアウトしていることも多い。日本では深夜に近い枠とはいえBLドラマがここ数年で増えた。「世の中変わったな」と思っていたが、それは一部の国だけで相変わらず日陰の者扱いされている国はある。一部の一般人のゲイフォビアどころか、国が進んでLGBTQの人々を迫害抹殺し、当事者を守るべき家族までもが彼らを家族の恥だと迫害する。宗教的な考えからLGBTQが受け入れられないというのはまだ仕方ないかもしれないが、それが理由で国から命を狙われるなんてことがあっていいわけがない。「ゲイに対する虐待など存在しない。そもそもゲイなど存在しない」と言い切ったチェチェンのカディロフ首相。仲良しは親玉のプーチンなのだからお察しだ。チェチェン国内で差別され迫害されるLGBTQの人々を救おうと奔走する団体のドキュメンタリーで、シェルターに匿ったり国内に逃がしたり、自分の命まで危険にさらして行動する人々や、命の危険を感じながら生きる人々に何か自分ができることはないだろうか。差別が全然ないかといえば断じてそんなことはないが、少なくとも「LGBTQである」というだけで日々命の危機に晒されることがないだけ。まだまだできることはあるが平和な国だ。重い映画だったが、観てよかった。(2022/5/25 KBCシネマ)
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