猫目

キャンディマンの猫目のレビュー・感想・評価

キャンディマン(2021年製作の映画)
3.7
「スクリーム6」でキャストさんに思い出させてもらいました。スルーしてたの悔しいわっ🫦
オリジナルを観た当時、鏡の前に立つ時はうっかり(?)この名前を口に出さないよう注意を払っていたんだったw


【ネタバレあり】

「キャンディマンは黒人差別の象徴だ」
ホラーの括りかもしれませんが、それより白人による人権迫害について、メッセージ性を強く前面に出している今作。悲しい過去の凄惨な人権迫害描写を切り絵のようなイラストを使って表現していて監督(制作側)の気遣いなのかなと思いました。エンディングも同じですが、それでもかなりの壮絶さが想像できます。
前作が都市伝説キャンディマンについて調査する白人教授のヘレンの物語だったのに対して今作は黒人アーティストのアンソニー視点で描かれていて、差別されてきた側に寄り添っています。そしてヘレンとアンソニーの繋がりもはっきり分かる構成。場所も同じシカゴの「カブリーニ・グリーン」(近辺)。92年当時は黒人が多く住む公営住宅地だったが、治安低下のため当局(主に白人たちですね)により再開発という名目で今では高級化された地域に変貌を遂げています。そこに住めなくなった人達の思いなんかも現代風にブラッシュアップされていて、白人によって闇に葬られた歴史はどのくらいあるのだろうと辛くなってしまいました。

ヘレンはただの「狂った女」はなくて、こういう歴史を調査し声をあげられない人々のために行動していたんだよね。彼女の悔しさを数十年越しに汲み取れたような気がして、私的にとてもスッキリする作品でした。
猫目

猫目