s

望みのsのネタバレレビュー・内容・結末

望み(2020年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

この映画の上映が決まった時
必ず観ると決めていました。
やっとネトフリに出て来てくれて
感謝でしかありません。



健史君の演じる年頃の男の子は、
演じているのではないと思わせるほど
年頃の口数の少ない
まるでそこに本当に存在しているような 
男子高校生だった。

堤真一さん、石田ゆり子さんの演じる
父と母は年頃の男の子にどう接したら
いいのかわからない。
みんなが通りそうな家庭の姿だった

清原果耶ちゃんの演じる妹は
こういう妹いるよねぇ.っていう
言動も現実味があった。

最初に出てくる。健史くんの幼少期
家族写真。エンディングで出てくる
その写真の姿は見方が違って涙が出た

息子は加害者なのか被害者なのか

生きて帰って来て欲しいんです。
と言う母親の姿は望みそのものだった

娘には娘の望みがあって
父には父の望みがあって

それぞれの望みのなかで
加害者か被害者かで交差する。

ドライヤーの音。
インターホンの音。
聴覚に響いて苦しい。

時々出てくる健史くんの回想シーン。
お守りをくれたお兄ちゃん。


石田ゆり子さんの、
息子のとった行動は
私の知っているそのままの息子の姿だったという台詞にも涙が止まらない

序盤に出てくるサッカーをやめて
自暴自棄になっていたと思わせる
ような会話や言動。家族に対しての
接し方。全てが加害者なのかとおもわせる。

健史くんの遺体が出て来た時から
終盤涙が止まらなかった。

これは生きていてほしかったわたし自身の望み
だったんだと思う。

松田翔太さんもいい味出してた。

少ししか出る幕はない健史くんの
存在感と、周りの演者さんたちの
演技力の賜な映画だった。

優しい子ほど親に心配をかけようとしない。子供の意思を気持ちを知った時が一番辛いという警察官の台詞も痛ましかった。少年事件が多いいま、この映画を観て感じるものが必ずあるとおもう。

映画を通してもらう感情は
いつも大事にしたいと思うけど
これもまさにそうで、
こんなに泣いたのはいつぶりだろうか
というぐらい涙が出てしまった。

題名にある望みを映画の中で
どれだけ感じられるか。
どう感じるか。

あの時にこうしておけば
話をしておけば、聞いておけば
もう2度と戻れない
もう2度と戻ってこない。

重みが残る映画だった。
が、最後のリハビリのシーン。
ナイフを見つけるシーン。

健史くんの親父呼びと初めて見せた
笑顔にボロ泣き。

家族写真の年頃の男子感のある表情と
思春期入る前だなっていう写真の
あの2枚を是非見比べて欲しい。。

この映画で感じるのは、

自分がその立場に立って考えたとき

加害者であってほしい。
被害者であってほしい。
両者の気持ちが分かる分
自分だったら
ただ生きて帰ってきてくれたら。
そう思った。

死んでしまうともう2度と
会うことはできないから。

思春期盛りの弟がいて
喋ることがあまりなかったのに
やっと喋るようになって
この映画を観ながら弟のことを想った。

正直、誰にでもあり得る状況だし
誰と出会うかで、
人間道が分かれると思うから。

最近何の映画がよかったか聞かれたら
迷わずこれを進めるだろう、

エンディングの曲の歌詞を
聴きながら、最後まで観て欲しい
s

s