重い。
失踪した息子が抱える2つの選択肢は対極にあって、でもどちらでも辛いもので、家族として、親として、母として、父として、そして妹として、どうしようもなくどちらかを望み、待たなければならない。
息子を愛する思いが、信じる気持ちにもまた会いたいという気持ちにもどちらにも転び、揺れ動く絶妙な心の機微が繊細に描かれているように感じた。
家族の心情が痛々しいくらい剥き出しに描かれているのに対して、警察のあからさままでに無表情で淡々とした冷たさ、マスコミの心無い押しかけ、悲しみ苦しみの渦中にいながらも、社会の波に揉まれざるを得ない状況の厳しさに押しつぶされそうになる。
苦しかった、