このレビューはネタバレを含みます
役者陣の確かな演技のおかげで、見応えはあった。
けど、結末には違和感が残った。
犯罪に巻き込まれたらしい、行方不明の息子。
どのような姿で見つかるのが、親としての望みなのか。
加害者=生、被害者=死、と定義したことで、いろんな立場の人たちの思いが浮き彫りになる。
親として子供に望むことは何か、ということについて、途中まではその定義づけに対して疑問も持たずに考えながら見ていたけど。
この映画、親としての「望み」をフラットな見方で描いたのではなく、大人の(人間の?)エゴを描いた映画なんだな・・・と、観終わって一気に興ざめした。
事実は、息子が被害者で、命を落としていた。
そのことに救われた、という母親。
自分たちの知っている息子でよかった、と言う母親。
少年犯罪では、まっすぐちゃんと育っている子ほど命を落とすんですよねぇ、という警察と、その言葉にどこかホッとするような親たち。
母親に対して「息子さんが加害者なら、遠慮なくいろいろ訊けたけど」と、もうインタビューは不要ですという雑誌記者。
妹が新しい学校で楽しい学生生活をはじめられたのも、お兄ちゃんが被害者として死んでくれたから?、と思いたくなるような描写。
なんかおかしいし、なんかキモチワルイと思ってしまった自分がおかしいのかなぁ・・・