いったつ

ドント・ルック・アップのいったつのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

半年後、巨大彗星が地球に衝突して全員死ぬけどあなたはどうする?というお話。
アダム・マッケイが「比喩史上最もわかひりやすい比喩」と語るように、彗星は明らかに気候変動のメタファー。
メリル・ストリープが演じるアメリカ大統領は女性版トランプであり、政局に夢中で地球規模の危機を直視しないアメリカ政治をセンス良く風刺している。
撮影が2020年11月ということで、コロナを巡るアメリカの混乱も製作に大きく影響しているだろう。

風刺のレベルは絶妙。
例えばアリアナ・グランデとキッド・カディが歌うチャリティーソングは良い曲で普通に感動してしまうのだが(アリアナの実力が凄すぎる)、冷静に考えるとその類のチャリティーソングが現実の行動変容に繋がったことってあったっけ?と苦い気持ちになる。
スティーブ・ジョブズ風のテック企業社長、ニュースキャスターの男女コンビ、世襲の大統領補佐官など、笑えるけど物凄くイラつく、でも実在感があるというバランスが凄い。

全編コメディタッチながら、文字通り最後の晩餐であるクライマックスシーンは感動的。
明日死ぬとわかった時にディカプリオのように行動できる人間でありたいと思う。。。

ネトフリで見られるのは知りつつ、滑り込みで劇場鑑賞。
評判が良いのもあってか十分な客入りで、ネット配信が始まっていても劇場鑑賞ニーズはそこそこあるんだと再確認した。
本作やパワー・オブ・ザ・ドッグなど、公開規模は望まないにせよ、都内でどこか1館でも細々と(1ヶ月半くらいは)上映し続けてくれるといいと思います。
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