イトー

ドント・ルック・アップのイトーのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.3
天文学大学院生のケイトがある彗星を発見する。発見を喜んだのも束の間、ケイトの先生であるミンディ博士はその彗星が地球に衝突すると計算で予想する。地球消滅の緊急事態を政府に伝えるが真剣に取り合ってもらえず、この危機を世界に伝えるために奔走するが世間の反応は芳しくない。

「アルマゲドン」や「ザ・コア」のようなディザスター系の映画かと思っていたが、地球消滅を目の当たりにしても変わらないこの世界の異常さを痛烈に風刺した映画だった。
政治、経済、メディア、ネット。高度に発達し豊かな時代になった反面、人々は本当に大切なものを見失っているのではないか。終末が迫っているような状況でも金儲けや保身。見ているとなんてバカなんだろうと思ってしまうけれど、もし本当にこんな状況になった時にバカのようにならない自信があるだろうか。
「必要なものは全て持っていたんだな」という一言が胸を打つ。何よりも重要なことは愛であり、友情であり、思いやる相手がいること。皮肉たっぷりに現代社会を批判することでこれらのことが浮かび上がってくるのは面白い。

ただ、個人的には笑いどころでハマりきれなかったり、カオスな雰囲気がイマイチピンとこず。好き嫌いが分かれる作品に当たるのかなぁと感じました。
イトー

イトー