「もし世界が終わるとすれば何をしますか？」
ずいぶんと手垢のついた質問だが、本作を見て現実の答えを知ったような気がする。
答えは、「まず、信じない」だ。
正常性バイアスとでも言うのだろうか。誰もが「自分は大丈夫」と根拠のない自信を持っている。
情報端末が行き渡った結果、多くの人々は自分の興味のあることしか追わなくなった。情報化とは言うものの、本当に大切な情報から目を背けさせるのは容易である。
世界が終わるというのに、悲壮感はない。終末へ向かって皮肉の効いた小ネタ満載であり、権力が握る愚鈍さと行動力のバランスが風刺されている。技術に乗っかったバカと年寄りだらけの箱舟は、人類の希望を託せそうにもない。
