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ドント・ルック・アップのRiRiのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
5.0
トランプ政権下でのコロナ動乱、乱痴気騒ぎの記憶が新しい中視聴したので、痛快すぎて終始動悸と苦笑いが。人間の傲慢さと滑稽さと儚さが凄いスケールで描かれている。断罪の時を前にした人間はきっとこんな感じなんだろうなと変に納得した。

利己的で浅はかで愚かな人間達に心底嫌気が差しつつも、尊厳を持って運命を受け入れる人間の精神の美しさに救われもした。状況は似て非なるものだが、フランクルの『夜と霧』の一節が頭に浮かんだ。「人間とは、人間とは何かを常に決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。」

因みに個性あふれるキャラクター揃いでディカプリオはじめどの役者も素晴らしかったが、個人的にはティム・クックとジェフ・ベゾスとマーク・ザッカーバーグとイーロン・マスクの要素をちょっとずつ配合したみたいなピーターっていうIT社長キャラが、神経質な喋り方も含め秀逸だった。
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