こたろうた

君は彼方のこたろうたのネタバレレビュー・内容・結末

君は彼方(2020年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

ツッコミありきで観るならあり。
結論から言うとクソ映画だが、出来の悪さを愛でながら鑑賞するには悪くない。


以下まじめな批評
創意工夫で感心できる部分がほとんどない。
既存の、しかも昨今の創作物の中にある、
あるあるの要素だけで構成された世界観。
“網膜的な快楽が欠落した新海映画”ともいえそうだが、いや、それはさすがに新海監督に失礼だ。この映画には創作に対する熱がそもそもない。さもドラマチックな演出の切り貼りだけで感動できるほど人の心は機械仕掛けでないと知るべきだ。特にこの作品は、中高生なら作品の良し悪しはわからないでしょ?こうしとけばエモいでしょ?みたいな作り手の慢心と得意顔が透けて見えるから余計に腹が立つ。

唐突に始まるミュージカル調の演出。ここはシュールさがある意味好き。ばかすぎて笑ってしまった。が、ここまで振り切るなら全編ミュージカル調のサイコホラー映画ということで突っ走ってほしかった。

シュールなミュージカルはさておき、キャラ・設定・演技・セリフ・演出・絵作り、どれをとっても凡庸だし、それらをまとめるはずの脚本は悪い意味で個性的なのでお話として瓦解しかけている。(最後はハッピーエンドで終わったが)というかまじめに作った脚本なのだろうか?主人公の心理的な成長を感じられるエピソードに覚えがない...。まじで記憶は彼方。売上以前に、これでは話題にあがらないのも無理はない。
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