偶然出会った二人は秘密を共有し、ハイテンションのままに老婦人の家に押し入って殺害を行うが、のちの取り調べでも支離滅裂な応酬を繰り返す。思春期の少女たちの凶行という筋でピーター・ジャクソン『乙女の祈り』(1994)を思い出させるが、白黒で撮影された取り調べと殺害に至るまでの日々をカラーで交互に描いている構成は『乙女の祈り』ともまた違う独特のインディペンデント臭を与える。彼女たちはじっとしていられず、何にも情熱を注ぐことができず、何かに集中することができない。だから刹那的な日々の中で殺害を行う。Girls Just Want to Have Fun。90sサンダンス映画特有のビデオエフェクトやチープな殺害シーンにもかかわらず、主役二人の凄味と寂寥なラストもあり、鑑賞後の余韻が凄まじい。