はっかあめ

空白のはっかあめのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.6
今年鑑賞した作品の中で5本指に入る作品。
涙もろいので最初の10分くらいからずっとハンカチ片手でした。

たまたまひとつの事件に関わってしまった人たちの、その後を映し続けた作品。
どう頑張っても、誰の立場にたっても救いようがなくて、観てて本当に辛かった。この事件で悪者がいる訳でもなく、気持ちが痛いほどに伝わってきた。

物語としての着地点はなかなか見えてこなかったけど、そこに物語としての味が出ていた気がします。

松坂君と、亡くなった少女が本当にただの特徴のない普通の人でしかなくて、それ以上の何者でもなかったことも、また良かった。

頑固頭のお父さんが、やり切れなさを胸に娘の様に絵を描いてみたり、少女漫画を読んでみたり、最後に自分のカバンにつけていたストラップには、お父さんなりに出来ることをしようともがいた、胸に熱いものを感じました。

藤原季節さんのキャラもすごく良かった。
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