ブルク13

空白のブルク13のレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.2
万引き未遂で逃亡した娘を交通事故で亡くした父と娘を追いかけた店長との間で関わる人たちとのヒューマンドラマ

娘は万引きしていないと言い張る父親の執念と無我夢中な行動で追い詰められる加害者たち、加害者の中で気に病んで自殺してしまった人の追悼シーンである加害者の母親が、怒りではなく真っ先に謝罪し、きちんと話した上で最後に許しを乞う姿に一番深く心に刺さった
娘の父は、物理的な意味で一番近くにいたものの、心理的な意味では全然近くに寄り添ってあげられていなかったことに気づいたあたりから態度に変化が現れていってましになっていく様が残された被害者としてのリアルなのかなと感じられた

タイトルの空白というのは、娘を亡くした心情を表すのか、娘のことを理解していなかった状況を表すのか、どういう意味なんだろう

冒頭の交通事故のシーンは今年ダントツで衝撃だった
どこでかは忘れたけど、少し泣いた
店長に一番お世話をやいていたパートさんも彼の前では明るく振舞ってて、ボランティア仲間の前では怒鳴り散らしたり極端な態度が見ていて辛かった
吉田恵輔監督の作品は『BLUE』と『愛しのアイリーン』しか観てないけど、終わり方がなんかじゅんわりしてるなって気づいた

無関心が一番ツライのかもしれない
心の強い人間に育ててもらえたのかもしれない

209・40
ブルク13

ブルク13