ジャケットから伝わるやばい映画感。予想した通りかなり暗い気持ちにさせるストーリーだった。
被害者側、加害者側?悪人がいない中で無理やり整理しようとしたもつれが悪影響を及ぼす。双方の目線で語られる分どちらもやるせない気持ちになる。
少女の父親とそれを慕う青年。店長とボランティアに励むおばさん。どちら側にも味方と呼べる人がいて、でも何故か正義を胸に正しいことを行おうとするおばさんが味方の店長の方が疲弊していく矛盾。
正しいことの方が窮屈に思える時があるよね。
疑念が疑念を呼びお互いに消耗していく戦いに終止符を打った事故車を運転していた女性の母親の強さが印象的。
そしてこの映画の中では完全にマスコミが悪として描かれていた。インタビューの切り取り方とかね。脱力タイムズでお笑いにされるやつ。こんなシリアスな映画でやられたらシャレにならない。
最終的には光が差していく展開で完全なる胸糞映画ではないけど、登場人物によって救いの度量が違うなとも思った。店長とかはほんの少しだけ。正義感の強いおばさんだけ虚しさだけが強調された終わり方なきするけど、だとしたらやるせない。
冒頭の事故の描写が曖昧ではなく明確に死だと誰もが思う映像で、その時点でこの映画は普通と違うと思ったけど、見て良かった。