ブルーアイズホワイトダイスケ

空白のブルーアイズホワイトダイスケのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.3
なんてことない女子高生の万引き事件をきっかけに、その周囲の人間たちを巻き込んでいき、事態は思わぬ方向に舵を切っていくことになる…

笑顔のシーン、全くねえな!!!
そして、巻き込まれた人がみんな、不器用なだけっていうのがまた辛い。
ずっと胸が詰まる思い出みてた。

感情が昂ってしまって、言いたくないことまでいってしまう。
誰が悪いってことはないのは分かっていても、ぶつけどころのない怒りを誰かにぶつけたくなる。
自分の責任じゃないと思いたいからこそ誰かを責める。
それでも、一度ぽっかりと空いてしまった心の空白は埋まることはない。

誰もが抱える人間の弱い部分を、とことん追求して最悪の形として落とし込んだ完成形がこの映画!!!

登場人物やそれを取り巻く周囲の人間、メディアのそれぞれのエゴや醜悪な部分を映し出したシークエンスに、不快感やもどかしさを感じると同時に、妙に人間的な部分に感じられて、すごくリアルに感じてしまう。
そりゃ、特選弁当たのんで唐揚げ入ってなかったらぶちぎれる。

あと特に、寺島しのぶが演じるおせっかいKY偽善おばさん。
あれはやばい。
こんだけやばいと思わせる寺島しのぶの演技もやばい。


【ベストシーン】
『モナリザ描こうとしてブサイクになったんですよね?』
『それ、かのんだよ』
『…』