良作。事前知識一切なしで見ましたが序盤で衝撃、そういった話だったのか... ジャンル的で見やすくて良いですが、話、演出が全体的に無難で凡庸な感じは否めませんでした。
1人の少女の死を皮切りに地獄巡りをする内容。複数の登場人物はどれも人間的に不完全で苛立ち、悲しみに暮れている。終始そういった雰囲気で続くので、見る人によっては胃がキリキリするでしょう。そのダークさ、イライラが逆にエンタメ的に面白くなっているような作品だと思いました。
お話重視の作品。演出としては強いシーケンスも無い及第点止まりの印象。例えば、スーパー内にいる主人公の背後を映すショットでは、スーパーの音が聞こえない、次のショットでは普通に聞こえてくる、といったように「リアル」ではなく「リアリティ」になってるのが良いですね。
前半は結構楽しめたのですが、後半は前半で描かれたことを漆を塗るように何度も重ねて描写されていく、そこで自分はう～んもったいないと思いました。オチが割とわかりやすい、というか純粋な商業作品ならこうするしかないようなものなので、お話としてはサクッと終わらせた方が良かったと思いました。お話重視の作品なのでその点が気になる。
【総評】
1人の少女の死を皮切りに、スーパー店長の主人公、被害者の父親の2人の対抗を描いていく。お話重視の作品で前半は楽しめました。後半は、まぁそうなるでしょうという感じです。
追記：
序盤で事故現場を全部映してしまう構成に問題があったのかなと思います。結局誰が「悪」なのかを観客にネタ晴らししている。そこはあえて映さずに一体誰が悪いのだろうというミステリー風にすると、よりお話として引っ張る力が出たと思います。
