これはキツイ作品。
誰が悪いということもなく、起こった事実は何人もの人の人生を破壊した。
万引きを追いかけた店長、飛び出した少女をはねた女性、さらに引きずった運転手。事故シーンはリアルだ。
加害者とはいえ被害者でもある女性が自殺してしまうのも厳しい。
父の気持ちを考えれば激情や行動も理解はできるが、担任や元妻や若手漁師の存在が空気を和らげてくれる。
いつどこでも起こりそうなシチュエーション。
あっという間に空白の世界に陥ってしまう恐怖がある。
しかし、店長の取材、悪者に仕立て上げるように切り取ってしまう報道はひどすぎる。
父が何もわかっていなかったと自分を見つめるようになった変化、店長が見知らぬ職人さんからありがとうと言われて涙する姿、少しだけ未来への明るい兆しが見えたのが救い。