ユナマリア

青くて痛くて脆いのユナマリアのレビュー・感想・評価

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)
5.0
個人的に超当たりの一作。

壁を作って生きてきた青年と、信念を貫く為に壁を乗り越える女性による世界を変える話。

人との衝突を避ける為、積極的に他人と関わらずに自分を守ってきた田端楓。

大学の授業中、手を挙げて「世界の平和」を強く訴える秋好寿乃を見て、引いた彼だったが、何故だか彼女に目をつけられ、ずかずかと彼の世界に入ってくる。

次第に彼女の積極さと本気度に負けた彼は、世界を変える為の秘密結社ことサークル「モアイ」を設立する。

壁を作ってきた彼だったが、次第にその心は開放され、共にボランティア等を行うようになるのだが…

タイトルと脚本があまりにも素晴らしい作品だった。

数々の自然な出来事がわざとらしくなく伏線になっていて、回収された時の驚きが波に覆われたような錯覚を感じる。

真正面から「人間」の本質とぶつかっていて、話が進めば進む程、引き込まれて、清々しさを体感させてくれた。

そんな素晴らしい脚本を見事に表現してくれた役者の芝居にも拍手。

吉沢亮はニンがとことんハマっていたし、杉咲花は微妙な感情の違いを顔だけで見せてくれる。

ここ最近鑑賞した映画の中では、トップクラスで良かった。
ユナマリア

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