そのお

のさりの島のそのおのレビュー・感想・評価

のさりの島(2020年製作の映画)
4.1
(上)天草出身で、
「のさり」という言葉も普通に使っていた者のレビューです。
目に多少の鱗は入ってると思って読んでください(笑)

オレオレ詐欺の電話をかけ訪ねてきた青年と、
その青年を孫として迎え入れるおばあさんの、
嘘でできているけど、優しい数日間の物語です。
まだ熊本でのみ公開されている状況ですので詳細は避けますが、
「優しい」と上に書いたけど、ただそれだけではないし、
その数日が登場人物たちに何をもたらしたのかは、
多分に私たち観た者に委ねられている映画だと思いました。

役者の皆さんの佇まいが自然で、
寂れた商店街の雰囲気に溶け込んでいて、
だからこそ、こんなことあるのかな?と思うような物語が、
すんなりと入ってきたようにも思います。

小山薫堂さんプロデュースのたい焼きが出てきたり、
イルカウォッチングとか崎津集落のマリア像、
そして何よりもきれいな天草の海、自然、
そういう観光要素も、他の地方の方には楽しんでほしいです(笑)

それから、物語の大事な舞台として、本渡第一映劇さんが登場します。
高倉健さんの映画のポスターだらけの古き良き映画館、
映画好きの方には映画を通してぜひ観てほしいです♪

最後に、監督が舞台挨拶でおっしゃってた言葉を少し引用します。
コロナで遠隔でいろんなことができることがわかった今だからこそ、
逆に、一緒にいて、一緒に何かを感じることの大事であり貴重。
嘘か本当か、0か100かで切り分けるだけではない、
その間のグラデーションが豊か。
嘘をつかれたけど悪くないと思うのも悪くない。
それが伝わる映画だと思います。
そのお

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