ダルマパワー

オルタード・カーボン:リスリーブドのダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

この独特な風合いの絵が、ブラックな世界観に良くあっていた。リアルテイストとセルルックが融合したような感覚。ピクサーのような3Dルックでなく、かといって、2次元的なセルルックでもなく。しっかり線画の入った3D。特に輪郭線が太く描かれていて絵の力強さを感じた。

上記の絵から産み出される、臨場感溢れる展開がとても見応えがあり、新鮮で面白かった。

一方、なぜかわからないが、その臨場感が合間合間にガス抜きされて、全体として尻すぼみ感が強く、最初の印象が強すぎたのか、後半につれてどこか面白味が薄れていってしまった。

ヤクザの若頭がいい味を出していたので、彼がどう物語に関わってくるか楽しみにしていた部分があり、またホリーの両親がなぜ殺されたのかや、ジーナとタケシの兄弟のサイドストーリーなど

内容盛りだくさんであっただけに、期待度は上がった反面、それぞれがほとんど触れられることなく、呆気なく組長をやっつけて終了、というのが物足りなさを生んだのかなと思う。

敵についても、ほぼ冒頭の敵から代わり映えがなく、ショッカーをずーっと見続けたようなマンネリ感があった。勿論パワーアップするわけではないので、倒す技も変わらないので、そこもいまひとつ。

組長との決闘シーンは最後面白かった。臨場感があり、生々しくて、ヤクザ同士の素手の戦いってこんなのかなぁと、男としては少しの憧れをもって見てしまった。エグいけど。


人の体って、酸素が一番多いそうですが、からだの6割を占める水分を除くと、残りの半分が炭素で構成されているそうです。オルタードカーボンは、交換された炭素の意味で、恐らく人の体を炭素と表現して、作品の世界観を表したんだと思います。
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