Shima

ミッチェル家とマシンの反乱のShimaのレビュー・感想・評価

5.0
お互いの感性を理解できずに関係がほぼ壊れている娘(ケイティ)と父親(リック)の話にAI(パル)の反乱が掛け合わさるとこんなにも面白くなるのかと思って最高に楽しめました。今年1位です。100億点。
父娘とその家族の関係修復がメインでその手段としてAIの反乱が絡んでくるわけで、どっちもありがちな話ではあるし奇をてらった展開があるわけではないけどこんな作品見たことないです、最高でした。
序盤の内から家族の過去に触れてどんな関係性であるのかを掘り下げていって終盤に向けてちゃんと下地を作っていって。で、終盤の状況とこの辺りがリンクしてちゃんと泣かされました、思惑通りです。つまり最高。
序盤にリックの「(家族の関係の)修理は得意だ」っていうセリフがあって、状況は全然違うけど終盤にケイティも全く同じセリフを言うシーンがあってかなりグッと来て、更にケイティが「家族ってめんどくさいけど、だからこそ守り甲斐がある」って言うセリフには完全に撃ち抜かれました。でもそのあとのパルの振る舞いが完全にギャグで緩急が付いていてそのあたりのバランス感もめちゃくちゃ良い感じでした。ハードな感じにもソフトな感じにもどちらにも振れる展開があって最高です。ファービーが襲ってくるシーンなんか怖すぎるけどなんか笑えるし最高。

他にはケイティのキャラクター、映画好きなナードなキャラでいわゆる主人公属性とは掛け離れているし大多数が思い浮かびそうな女性っぽい振る舞いも特に無いんだけどその個性が否定されない展開が良かった。ヒーロー然としていないキャラクターだからこそ敵に立ち向かうシーンに燃えるわけです。あとはお母さんが強すぎてビビるけど母は強しって一言で説明がつくのでそこを貶すのは野暮です。

脚本を担当したクリスミラーとフィルロードはスパイダーバースを手掛けた人なんですね、どうりでっていう。作画も最高でした。他には21ジャンプストリートとかレゴバットマンもやっていて両方とも最高に好きなので彼らの今後の作品はチェック必須のリストに入れることにします。ベタとかやりすぎとかそんなの越えて最高でした、文句無しです。オールタイムベスト級。
Shima

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