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Swallow/スワロウのWILDatHEARTのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.0
『感覚に訴える稀有な残酷成長物語』


薬によってそれまでで最大の異物を排泄(と言っていいのかな?)することで、ようやく自立への道を見つけることに成功した主人公。

男が犯した罪の結果生まれた彼女が、男(と、それを取り巻く男性優位社会)に隷属するのとは別の人生を見つけるまでを描いた文字通りの「痛み」に満ちた成長の物語であり、最後の彼女の決然とした表情には清々しさをさえ覚える。このスッキリ感は排泄後ならではのものであるという肉体感覚に根差した共感を感じずには居られない。すごく巧い。

新しく芽生えた生命を殺すことで自分は生まれ変わる、つまり破壊(殺害)と再生が直結しているところにきれいごとではない凄味がある。

同時に、エンドロールを観ながら、今までこれほどまでに女性という性に哀れみを感じた映画は無かった。
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