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Swallow/スワロウのyokoのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.8
これからもヘイリーベネットを評価していくぜ!彼女は虚無な日常、貧困ではないが満たされない、取り繕うゆえの無表情、そういう役が多いイメージ。それが堪らない、大雨や快晴ではなく曇り空が似合う人。変にオーバーに不満をぶちまけないのが良い。

さも生贄のように出てきた羊、嫌な予感がして薄目にしてたらやっぱり解体シーン。なんだろうランティモス系のやつ。牛や豚じゃなくて羊なのは男社会の犠牲者の主人公、女の象徴。

うんこのような効果音に、巻きグソうんこのような見た目で落下する描写のソース。たぶん、いわゆる食事、それにつながるいわゆる排泄への嫌悪感。

ショート似合ってないなあと思い出したころ登場人物が指摘、タイミングがうまい。

窓ガラスの色がフランス国旗みたいに見えるのは?シリア、フランス統治の揶揄か?モーテルのインテリアと照明の配置も青白赤でフランス国旗だ。いや中絶の合法化がフランスは早かった。そのリベラルさを讃えているのか。

なぜ異物なのか。自分の人間社会からの疎外感と、自然ではないものの異物。我が子のように大事にされるビー玉。飲み込むだけの自傷感ならまだわかるがクソから取り出そうとする感情はこの世に対する自分の成果物だからか?だからこそ土は曖昧になって良くないのではと、不満はそこかな。散々トイレシーンを見せといて便器の中を写すのは最後だけ。ようは望まれぬ子の自分の存在と、真逆の決断をするのだが。

介護士こと見張り役、最高の人材ルエイがゴリゴリのおっさんなのは笑える。くそ害悪マッチョかと思いきや、しかし戦争経験者の彼が実は男的な害悪を感じさせない気もするがどうだろうか?彼も戦争という「男らしさ」に人格をレ○プされた被害者なのだろう。

戦火の中防空壕に避難するようにベッドの下に潜り込む2人、偽物のハグが横行する作品内で、真の親愛、心配の接触を躊躇するおじさん、めっちゃイケてる。1秒くらいだが本人のなかでは同意なしにさわることに凄い抵抗があるのだろう。

ブツを隠すかのようにトイレに異物を隠してるのは最高。

追記

父と会い微妙に赦す感じはプロミシングヤングウーマンで弁護士を赦すシーンを彷彿とさせる。
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