Aki

Swallow/スワロウのAkiのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分の居場所がない女性の話に思えた。
きっと彼女は、間違いから産まれてしまったことで、自分は存在してはいけない人なんだと、自己否定し続けてきたんだと思う。

母親は優しかったというが、最後の電話でもあるように、母親は一見優しい言葉をかけるが、家には彼女の帰る「場所」はないという。体のいい拒否。彼女の居場所の拒否。
夫やその家族は、親切なように振る舞うが、ラストの言葉通り、彼女のことを「何もできない」と常に下に見ており、話も聞く気がなく、家の中でさえ居場所がなかった。

そのため彼女は自分の存在理由を、自ら保ち続けなければならず、旦那の料理は必ず作り、失敗は許されないなど、完璧な女性でいなければならなかった。
そんな生活の中で唯一の自由、わがままとして手に入れた手段が「飲み込む」。僕には、自傷のようにも思えた。

描写がとてもリアルで、痛々しかった。
最後に本当の父親に会い、「君は何も悪くない」と言葉を受けたことで、彼女が救われたようにも見えた。これから本当の幸せを見つけて欲しいと思った。

ひたすらにヘイリー・ベネットが美しく、素敵な演技をする映画でした。
Aki

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